
今日からしばらく、いつもは離れて暮らしている子どもが家にいる。
四年前からいる猫は、二年前にも子どもに会っているんだけど……
さすがに覚えてないか。
私が帰宅すると子どもはもう、家にいた。
今や物置となった、かつての子ども部屋にいるみたい。
扉は閉まっているけど人の気配がする。
疲れて寝てるのか出てこない。
代わりに猫が、廊下の奥から駆けてきて「侵入者」を知らせてくれた。
うんうん、なんかいるね。
ズズズズ、と鼻詰まり気味のいびきも聞こえる。
猫は気になって仕方ない様子だけど、怖くて近づけない。
私に知らせるのが精いっぱいで、
“扉“を気にしながらも、じっと私を見つめている。
新しい猫を迎え入れるときには、先住猫を優先するようにと聞くし
ここは猫のフォローが先なんだろうな。
「大丈夫、大きいだけで怖くないから。」撫でながら言い聞かせる。
わかってくれるかなあ。