
うちの冷蔵庫には今、冷やし中華のチルド麺が3パック入っている。
一番長い賞味期限は10月初め。
近所のスーパーの棚にいくらでも積まれていた冷やし中華を「今日はいいや」と買わずに帰ったのは多分去年の今頃。
その後はどこを探しても見つけられなかった。
多くの飲食店が“冷やし中華はじめました“とのぼりを出して、夏だけ限定感を売りにしているのは知っていた。
でも生麺とスープしか入っていない家庭用のパックなら、一年中ひっそりと売られているものだと思っていたから当てが外れた。
それまで特に気にもしていなかったのに
もう買えない? 食べられない? と思うと俄然もう一回食べたくなって…
まだ売っている店を探して、行く先々でスーパーに寄ってみた。
しばらくチルドコーナーをチェックしていくうちに
「あ、本当にないんだ」と気づいた。
スーパーの季節はもう秋だった。
少し前まで冷やし中華が置いてあっただろう棚には、きのこご飯や栗ご飯の素が置いてある。
冬にも見たと思っていた記憶が“冷やしラーメン“だと気づいたのはその後のこと。年末に冷やしラーメンを見て「冷やしラーメンはあるんだ!」と。
だから今年スーパーに冷やし中華が並び始めたときは、間違いなく去年より嬉しかった。食べ損ねたから。
あれからずっと待っていたから。
ここ数日涼しくなって「やっと夏も終わりかしら?」とホッとしたときにも冷やし中華は浮かんできた。
見かけたら一つ、また一つ。
スーパーでチェックを続けた結果が冷蔵庫の3パック。
うちの冷蔵庫のストックが残っているうちにスーパーから冷やし中華が消えたら、私は勝ったと思うと思う。何に勝ったかはわからないけど。
“いつまでもあると思うな冷やし中華“、去年の私に教えてあげたい。
ちなみに本家の“あると思うな…”には続きがあるみたい。
『いつまでもあると思うな親と金 ないと思うな運と災難』
語源は江戸時代にうたわれた狂歌の一部らしい。
『ないと思うな運と災難』というところが趣深い。