
Unsplashのmicheile hendersonが撮影した写真
毎週金曜日は職場にヨーグルトが届く。
昔ながらの宅配牛乳スタイル。
受取用のボックスもあるけれど、いつも配達のおじさんが手渡してくれる。
この支払が今時珍しい現金払い。
月一回、ジップロックみたいな透明袋に入った請求書をヨーグルトと一緒に渡されて
翌週、今度はその透明袋に現金を入れる。
配達の回数が変わるので毎月少しずつ金額も変わる。
千円札に、五百円、百円、十円、一円と一枚ずつ硬貨を数えて用意して…
数日かけないと小銭が揃わないこともある。
もちろん紙幣を出してお釣りをもらうこともできる。
でもそこは月に一度のミッション、チャレンジしたいところ。
そうやって一週間かけて用意したお金を手渡すたびに思う。
こんな風にお金を“手渡す”のはヨーグルトの時だけだわ。
現金払いだとしても、投入口にお金を入れれば下からジャラジャラとお釣りが出てくる所がほとんどだし、そもそも現金を使う場面がない。
財布を開くことすらない気がする。
スーパーでもバスでも自動販売機だって現金を持ってなくても支払える。
今、財布の中にいくら入っているのか?
わからないままでも困ることもない。
私が子どものときにあったボードゲーム用のおもちゃのお金とか、駄菓子屋さんの紙幣や硬貨の形をしたチョコレートとかはまだあるんだろうか?
考えたところで、
駄菓子屋さんももう無いのかと思う。
今の小学生たちはレジの台に百円玉を出して、十円や五円のお釣りをもらうような買い物をしたこと、あるんだろうか?
インフレで通貨の価値が下がっている実感はあったけれど、
物としての紙幣や硬貨の出番もないみたい。
使ってないと気づくこともなく、ごく自然に。
このまま知らぬ間に、いつの間にやら紙幣とも硬貨とも疎遠になって
“ここぞ”ってご祝儀の時ぐらいにしか見なくなるのかもしれない。
教科書に載るような昔のお金じゃなくても、ほんの数十年前のお金が過去のモノになっていくさまを、今まさに見ているんだと思うと感慨深い。
真っ新な紙幣と硬貨を数枚ずつ、タンス貯金しておくのもいいのかも。
「ほら見て、昔はこんなものを使っていたんだよ」
そう言って見せる日はそんなに遠くない気がしてきた。